鵠の杜舎

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土地のものをいただき、土地の人と交わる。

2017-07-29

夏らしい、まぶしい太陽に恵まれた7月の土曜日。
鵠ノ杜 湘南野菜のとれたて市におじゃましてきました。

 

 

 

 

毎度ながら、marukanさんの子どもむけワークショップは大盛り上がり。
竹ぼっくりや網カゴづくりなど親子一緒に楽しめる工作はもちろん、カブトムシも登場です。

 

 

 

 

今日は「地元のおいしいもの」が鵠ノ杜舎に集まる日。同時に、鵠ノ杜舎のモデルルームも初公開。ザ・建設現場!という感じだった上棟式から、どんなふうに変わっているのでしょうか?

 

豪快に、涼を楽しむ「流しうどん」

 

 

 

今日の目玉は、なんといっても流しうどん。
全長何メートル?という長ーい竹の水路を職人さんたちの手で組み立てます。その両脇に小さな子どもたちから大人まで、押し合いへし合い肩を寄せ合って、流れてくるうどんを待ち構えています。真剣に箸を構える子どもたちの顔がかわいい。

 

 

 

 

いつも元気いっぱい、marukan西山さんや職人さんたちのかけ声とともに、うどんが元気よく(?)流れてきました。ミョウガと一緒にいただきます。ツルツルこしがあって、本当においしい!

 

 

 

流しそうめんもいいけれど、箸でつかみやすくて食べごたえのある流しうどん、いいです。ちなみにこのうどんは、藤沢産の粉からつくられたうどん。こんなところも地産地産にこだわっています。

 

 

朝ごはんが楽しみになる。とれたて市

 

 

とれたて市に並ぶのは、葉っぱや泥がついたままのニンジン、詰め放題のじゃがいもといった新鮮な野菜たち。地元で採れた食材は新鮮なのはもちろん、生産者さんに近く、安心でリーズナブルと嬉しいことがたくさん。ほかにも天然酵母のパンやコーヒー、藤沢で採れたはちみつなど、朝ごはんが待ち遠しくなるような食材が並びます。

 

 

 

そんな中でひときわ目を引いたのは、生ハム。藤沢市内でイタリア料理店を営んでいた有限会社NORMA・高橋さんご夫婦が藤沢の気候風土のもと15ヶ月間かけて熟成させるという「長期熟成 ふじさわ生豚(なまはむ)」です。原木での直接購入が可能なほか、藤沢や鎌倉の飲食店で食べることができます。

 

 

 

全国各地はもちろん世界中を旅してきて、建築界屈指の食いしん坊として知られるbluestudioの大島さんも「これまでヨーロッパのいろなところで生ハムを食べてきたけど、その中でも最高レベルの味」と大絶賛。

 

ちなみに高橋さんは、生ハムだけでなく土地の食材を使った「鵠沼魚醤」で湘南ビジネス大賞も受賞している実力派です。

 

 

 

こどもたちにも大人気だったのが、「冷やしパイン」や「冷やしマンゴー」、かき氷など冷たいスイーツ。カラフルなキッチンカーを切り盛りするのは「プチマルシェ・ユウ」のよっしーさん。前回立ち寄った、藤沢本町駅前の商店街にある焼き芋屋さん(!)です。ひとつひとつ壺の中で状態を見ながらじっくり火を入れた焼き芋をはじめ、全国各地の珍しくておいしい食材を取り扱っています。

 

 

 

私は名物「冷やし焼き芋」を食べてみました。果物を凍らせるとシャーベット状になりますが、ひんやり・ねっとりした蜜とお芋の柔らかさはアイスクリームに近い触感。冷たい焼き芋がおいしいなんて衝撃的……!

 

他にもたとえば、かき氷のシロップに使われていた小田原の「カラマンダリン」は、オレンジの一種。国内では少ししか栽培されていない珍しい品種です。種子島で採れた「粗糖(そとう。未精製の砂糖)」を使っているので、栄養たっぷりで自然な味わい。

 

かといって、プチマルシェ・ユウさんは必ずしも自然食にこだわっているわけではないそう。「あくまで自分が実際に食べてみて、おいしいと感じたものを選んでいるだけなんです。でもあとから調べてみたら体にもよかった、ということが多いんです」と話すよっしーさんに、何故このまちでお店を始めたのか、訊いてみました。

 

 

「このまちには最初、まったく興味がなかったんです。」

「藤沢本町は最初、まったく興味がなかったんです。一度も(駅で)降りたこともなかったし、行ってみるまで市民病院や大きな神社があることも知らなかった。

 

小田急沿線で物件を探していたけどいいところが見つからなくて、「一度も降りたことがないから試しに降りてみよう」と藤沢本町の駅で降りたんです。

 

 

 

そうしたら商店街にあった空き物件を見つけて、なんとなくインスピレーションで “ここいいな”と。まだ募集さえ出ていなかったから、ご近所さんに“たぶんあの不動産屋さんじゃないか”と教えてもらって。

 

不動産屋さんに“僕は人生はタイミングが大事だと思っていて、勝手な思いで申し訳ないんですけど、一度お話を聞いてもらえませんか”とお願いしたら、“そういうことなら”と、すぐに案内してくれました。中を見てすぐに“ここだな”と決めました。

 

当時は藤沢市には一人しか知り合いもいなくて、右も左もわからない状態でした。でもおかげさまで、オープンからの3年間で本当にたくさんの方と知り合えて、本当にあの場所にしてよかったなと思います。」
 

 

――よっしーさんから見て、藤沢本町はどんなまちですか?
「もともと宿場町なので、昔ながらのいいところが残っていますよね。それでいて、昔からいる方たちも僕(のように新しく入ってきた人)を頼ってくれたり意見を聞いてくれたりする。最近は新しいお店さんも増えてきて、若い人たちにとっては“チャレンジできる場所”でもあるんじゃないかな。同時に、試される場所でもありますけどね。

 

市民病院があるので、お悩みを抱えていらっしゃる方や患者さんのご家族が来店されることも多いです。そういうお話を聞けるのは、僕にとってはすごく有り難いんです。僕なんかでよかったらお話をお聞きしたいし、帰りには笑顔になって帰っていただけたら嬉しい。」

 

――よっしーさんのお店の食材は、本当にどれもおいしそうで、しかも他では見たことのないものが多いですよね。

 

「おいしいものや珍しいものは、常に探していますね。アンテナ張りっぱなしです(笑)。今日も、ちょうど小豆島から帰ってきたばかり。いろいろなところに旅をして、お客さんから「これなに?初めて食べたわ!」と喜んでもらえるものを見つけたい。旅先では雑誌やメディアの情報に頼るのではなく、とにかく現地の人に話を聞きます。そして実際に足を運んで食べてみる。

 

 
そうやって見つけた本当にいいものを、藤沢にフィードバックしていきたい。自分が藤沢のために何ができるのか、いつも考えています。

今は『粉もんフェスティバル』の実行委員長など、藤沢産の食材の普及活動もさせてもらっています。今日、ここでやる流しうどんも、藤沢産の粉でつくられたうどんなんですよ。この前は仲間たちと、藤稔(ふじみのり)という藤沢産ブドウ100%のワインを作りましたが、おかげさまで予約だけで完売しました。」

 

――藤沢にも、まだまだ魅力的な食材がありそうですね。

 

「そうなんですよ。僕自身が人と人とのつながりのおかげで生きてきたから、僕も人と人をつなぐことで必要な人に情報を届けたり、助けを求めている人を助けられたらいいな、と思っています。

 

誰でも悲しいことやイヤなことはある。そんなときはうちの店に来て、何も買わなくてもいいから、お話することで最後は笑顔になって帰ってくれたらいい。そんなお店です。」

 

山と海のあいだ、「風の通り道」に暮らす

この日、鵠ノ杜舎のモデルルームも初公開されていました。
丘の上から畑へ、山から海へと風が吹き抜ける、実に気持ちのいい空間です。

 

 

玄関ドアはベビーカーや高齢者の方に優しい大きめの引き戸。広い土間は、ベビーカーや自転車を置いたり、ちょっとした作業場に使えたりと、すごく使い勝手がいいのですよね。でも賃貸では、かなり珍しい。

 

 

 

室内は岡山県西粟倉村のヒノキを使った無垢のフローリング。お子さんの指先や女性のストッキングなどが引っかかることのないよう、体に優しい蜜蝋ワックスを使い、ひとつひとつ女性の手作業で磨き上げています。

 

 

寝室もこの気持ちよさ。窓際に間接照明が入っているので、天井に灯体がありません。天井の抜け感はもちろん、夜は目にも穏やかな照明で、ゆったり休めそうです。

 

 

 

お部屋全体のアクセントになっているのが、鉄骨のらせん階段。木造住宅は心地よく暮らせる一方で、隣のお部屋の生活音が気になりやすい。この階段は鉄骨にして上下階にのみ接続することで、隣のお部屋との境界壁に音や振動が伝わりにくい工夫がなされています。

 

 

近隣の畑は貸菜園なので、空いていればここで家庭菜園もできます。広い庭付きのお部屋には専用の屋外水栓があって、お湯も出るのだそう。夏は子どものプールに、冬場の水作業にと、四季を通じてお庭でかなり遊べそう。

 

 

玄関の間口をかなり広くとってあるのは、真ん中の道でみんなが自然と顔を合わせたり、会話が生まれたりする工夫でもあるそうです。この「道」は“通路”や“共用部”ではなく、住民全員の生活空間であると同時に地域に対して開かれた公共空間。住人以外の地域の方たちも自由に通り抜けができるのです。おもしろい!

 

 

2LDKの方のキッチンは2人並んでも使いやすいよう、奥行き・幅ともに広めにつくられています。シックな色合いのキッチンタイルが印象的。

 

 

感想をひとことでいえば、「空間の至るところまで、想像力が行き届いている」。楽しく・心地よく暮らせる工夫が、すみずみまで詰まっている。しかもそんな住まいが賃貸で、こんなに気持ちいい環境の中に存在するなんて。なんて、なんて贅沢なんだろう…。私も住みたい、ここ。

 

 

この日、見学の帰りに「申込書ください」と持ち帰る方たちもいて、すぐに満室になってしまう予感。毎週日曜日にモデルルームの案内があるそうなので、ご興味のある方は、急ぎましょう。

 

 

住み手が物語をつむぐ賃貸

今日このイベントを仕掛けたメンバーのひとり、前回まちの案内人として登場した湘南ユーミーまちづくりコンソーシアムの下山さん。涼し気な浴衣姿もお似合いです。

 

 

――今日はどんな方が来ていましたか?

 

「今日は、来ていた人たちがすてきな方ばかりでしたよね。藤沢市内からも多かったですけど、平塚や茅ヶ崎、横浜からも来てくださっていました。

 

皆さんコンセプトに共感してくれたり、お部屋がすてきだと感動してくださって。暮らしの質にこだわっている人たちがわざわざ足を伸ばしてくれたのかなと思います。」

 

 

 

――今後も「とれたて市」のようなイベントは続いていくのでしょうか。

 

「湘南ではいろいろなところでマルシェをやっているんだけど、今日の出展者さんたちは湘南のレストランなどへの卸が中心で、なかなかお店では買えない食材が並びました。

 

10月のオープンのときに、入居者さんたちと一緒に、地域に対して”引越してきました!”と自己紹介するようなイベントがやれたらいいなと思っています。

 

住人さんたちが、ここでの暮らしを発信していけるような場になったらいいですね。入居者自身が語り手になって暮らしをつむいでいく。そんな賃貸住宅にしていきたいです。」

 

ここから生まれる暮らしの舞台が、だんだんと姿を現し始めました。あとは登場人物を待つばかり。どんな人たちが住んで、どんな物語をつむいでいくのか。10月が楽しみです。

 


 毎週日曜日
モデルルーム公開中!

毎週日曜日、現地にてモデルルームをご案内しております。
ご希望の方は、TELにてお気軽にご予約・お問合せください。

 

■日時 :2017年8月の毎週日曜日
※午前・午後の2回に分けて開催致します。
〈午前の部〉10:00〜  〈午後の部〉14:00〜
■場所 :神奈川県藤沢市鵠沼神明5丁目(湘南高校裏)
■参加費: 無料
■ご予約・お問合せ:

Tel / 0800-888-9920(ブルースタジオ)へお電話ください。

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